10ぴきのかえるうみへいく:きらめく海と、家族の幸せを届けてくれる絵本
この絵本を手に取った時、私自身の心が、子どもの頃に戻ったような、懐かしい気持ちに満たされました。鮮やかな色彩、愛らしいカエルたちの姿、そして何よりも、ページをめくるたびに広がる、海辺の開放感。それは、まさに「幸せ」そのものだと感じました。
海への冒険、そして家族の絆
10匹のかえるたちが、初めて海へ行く物語。そのワクワク感は、想像をはるかに超えるものがありました。初めて見る海の広大さ、波の音、砂浜の感触…絵本を通して、子どもたちは想像力を掻き立てられ、あたかも自分が一緒に海へ行ったかのような感覚を味わえるでしょう。
それぞれのカエルが、海での体験を全身で表現している様子は、見ているこちらまで笑顔になります。波に飛び込んだり、貝殻を集めたり、砂浜で遊んだり…。子供らしい無邪気な喜びが、ページいっぱいに溢れ出ています。
特に印象的だったのは、カエルたちが寄り添いながら、海を眺めているシーンです。家族や仲間と過ごす時間、そして共有する喜びが、静かに、しかし力強く描かれています。賑やかな遊びのシーンとはまた違った、温かい感動が胸に迫ってきました。
心を奪われる、鮮やかなイラストレーション
この絵本の魅力は、文章だけではありません。イラストの鮮やかさも、大きなポイントです。海の色、空の色、カエルたちの緑色の肌、そして貝殻や砂の色…一つ一つの色彩が、驚くほど鮮明で、まるで本物の海辺にいるかのような錯覚を起こします。
特に、夕焼けに染まった海をバックに、10匹のカエルたちが仲良く並んでいるシーンは、息を呑むほど美しいです。この絵を見ていると、自然と心が穏やかになり、日々の疲れが癒されていくのを感じます。
絵のタッチも優しく、子どもにも安心して見せることができます。シンプルながらも、カエルたちの表情や仕草が生き生きと描かれており、物語の世界観に自然と引き込まれていきます。
読み聞かせの楽しさ、そして学び
4歳と2歳の娘に読み聞かせをしたところ、二人とも夢中になって聞いていました。特に4歳の上の子は、カエルたちの真似をして、海で遊ぶ真似事を始めました。
読み聞かせを通して、子どもたちは海の生き物や自然に触れる機会を得ることができます。また、カエルたちの行動から、友達と協力することや、自然を大切にすることなどの大切なことを学ぶことができるでしょう。
この絵本は、単なる物語ではありません。子どもたちの想像力を育み、心豊かに成長できるよう導いてくれる、そんな力を持っていると感じました。
親として共感するポイント
私自身、この絵本を読んで、親として大切なことを改めて考えさせられました。それは、子どもたちにとっての「かけがえのない時間」の大切さです。
忙しい毎日の中で、つい忘れてしまいがちなことですが、子どもとゆっくりと絵本を読んで過ごす時間は、何にも代えがたい宝物です。この絵本を通して、娘たちとの絆をより一層深めることができ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
誰にオススメしたいか
この絵本は、特に4歳から5歳のお子さんを持つ親御さんにおすすめです。初めて海に行く子どものワクワク感や、家族の温かさを実感できる、最高の絵本です。
また、絵本の読み聞かせを通して、子どもと楽しい時間を共有したいと考えている方にもおすすめです。
さらに、自然を愛するお子さん、動物好きなお子さんにも、きっと喜んでいただけるでしょう。
絵本の持つ、明るく楽しい雰囲気は、お子さんの心を優しく包み込み、幸せな気持ちで満たしてくれるはずです。読み終えた後の、穏やかな余韻も、この絵本の大きな魅力の一つです。 この絵本が、あなたの大切な家族の思い出作りに貢献してくれることを願っています。
タイトル | 10ぴきのかえるうみへいく |
著者 | 間所ひさこ / 仲川道子 |
出版社 | PHP研究所 |
発売日 | 2004年06月 |