くびがにゅーとのびました:心温まる、いのちの讃歌
この絵本、「くびがにゅーとのびました」は、想像を超える感動を与えてくれました。単なる動物たちの物語ではなく、生命の尊さ、日々の喜び、そして何気ない日常の美しさを見事に表現した、まさに珠玉の一冊です。 4歳の長女と2歳の次女にも読み聞かせましたが、二人はそれぞれに、この絵本の世界を楽しみ、心に残したようです。
かめとぞう、そして仲間たちとの、かけがえのない時間
お話の中心となるのは、かめとぞうの友情です。「かめのうたができたんだ」という、かめのひと言から物語は始まります。そのシンプルな言葉の中に、何とも言えない温かさを感じます。 かめとぞうは毎日一緒に散歩したり、遊んだり。その様子は、まるで私たち親子の日常を見ているようでした。 一緒に過ごす時間、喜びを分かち合う時間、時にはちょっと怖い思いをする時間… すべてが、かけがえのない宝物として描かれています。
さらに、物語にはろば、がちょう、かえる、かたつむり、ばったなど、様々な動物たちが登場します。それぞれ個性豊かな彼らが織りなす、小さな出来事の数々が、読者に優しい気持ちを与えてくれます。 例えば、雨上がりの虹を見て喜ぶ様子や、ちょっと怖い体験をした時の仲間たちの励ましなど、細やかな描写に心が温まります。 これらの動物たちの描写は、子供たちの想像力を掻き立てるだけでなく、大人である私にも、忘れていた大切な何かを思い出させてくれる力を持っていました。
優しい色使いと、穏やかな語り口調
この絵本の魅力は、文章だけではありません。 特色カラー印刷による、優しい色使いも見事です。 絵のタッチは柔らかく、動物たちの表情は生き生きとしていて、見ているだけで心が安らぎます。 特に、夕焼け空や、朝の光に照らされた風景は、息をのむほど美しく、何度見ても飽きることがありません。
語り口調も、とても穏やかで心地よいです。 まるで、優しいおばあちゃんが昔話を聞かせてくれているような、そんな感覚を覚えました。 長女は、絵本の美しい情景をじっと見つめ、次女は動物たちの動きに合わせて、体を揺らしていました。 二人の反応を見るだけで、この絵本の持つ魅力を改めて感じることができました。
繰り返される日常と、そこに潜む生命の輝き
物語は、日の出から日没まで、そしてまた日の出へと、ゆるやかに繰り返されます。 一見すると、何気ない日常の描写に思えるかもしれませんが、そこには生命の輝きがしっかりと感じられます。 毎日繰り返される、散歩や遊び、そして仲間との触れ合い。 これらの些細な出来事が、実はかけがえのない時間であり、生命の尊さを示しているのだ、と気づかされます。
この絵本を通して、私は改めて、日々の生活の大切さ、そして周りの人々との繋がりを大切にしようと思いました。 子供たちにも、この絵本を通して、そういう気持ちを育んでいってほしいと願っています。 忙しい毎日の中で、つい忘れてしまいがちな大切なこと。 この絵本は、私たちにそれを優しく思い出させてくれる、そんな力を持っていると感じています。
誰にオススメしたいか
この絵本は、特に幼い子供を持つご家庭に強くお勧めしたいです。 4歳と2歳の娘たちは、この絵本の優しい世界に魅了され、何度も読み聞かせをせがみました。 美しい絵と穏やかな物語は、子供たちの心を優しく包み込み、想像力を豊かにしてくれるでしょう。 また、絵本を通して、家族の絆や、日々の生活の大切さを改めて感じられると思います。
さらに、子育てに疲れたお母さんにもおすすめです。 この絵本の温かい雰囲気は、心を癒やし、穏やかな気持ちにさせてくれます。 子育ての大変さを忘れ、少しの時間でも安らぎのひとときを過ごせる、そんな時間をもたらしてくれるでしょう。 忙しい毎日の中で、心安らぐ時間を求めている方、絵本を通して家族の時間を大切にしたい方、そして、子供たちにいのちの尊さを伝えたいと考えている方、すべての方々にこの「くびがにゅーとのびました」をお勧めします。 きっと、この絵本はあなたの心を温かく満たしてくれるはずです。
タイトル | くびがにゅーとのびました |
著者 | きくちちき |
出版社 | 理論社 |
発売日 | 2024年09月 |