おせち:日本の伝統と美味しさが詰まった、心温まる絵本
「おせち」という響きには、独特の温かさがありますよね。子どもの頃、お正月の賑やかな雰囲気の中で、あの彩り豊かなお重を眺めていた記憶が、今も鮮やかに蘇ります。この絵本『おせち』は、そんなおせち料理への憧憬と、日本の伝統文化への理解を、子どもたちに優しく届けてくれる一冊です。4歳と2歳の娘を持つ私にとって、この絵本はまさに宝物と言えるでしょう。
丁寧に描かれた絵と、分かりやすい解説
まず、目を奪われるのはその絵です。写真のようにリアルに描かれたおせち料理は、どれも美味しそうで、見ているだけで食欲をそそられます。 黒豆のつやつやした光沢、紅白なますの鮮やかな色合い、伊達巻のきめ細やかな生地…まるで本物のおせちが目の前に並んでいるかのようです。娘たちも、ページをめくる度に「これ食べたい!」「あれも美味しそう!」と目を輝かせ、一緒に絵本の世界に浸っています。
絵だけでなく、解説も素晴らしいです。21種類ものおせち料理が紹介されており、それぞれに込められた意味や、材料、作り方のポイントなどが、子どもにも分かりやすい言葉で説明されています。例えば、黒豆の「まめまめしく働く」という意味や、紅白なますの「めでたい」という縁起の良い意味など、大人である私自身も改めて学ぶことがたくさんありました。
さらに、おせち料理が春夏秋冬を表しているという点も、この絵本ならではのポイントです。それぞれの料理が、季節の移ろいを感じさせ、自然の恵みへの感謝の気持ちを育むのに役立ってくれます。単なる料理の紹介にとどまらず、日本の伝統文化や自然への畏敬の念を伝える、教育的な要素も兼ね備えているのです。
親子の会話が弾む、楽しい時間
この絵本を読む時間は、娘たちとの大切なコミュニケーションの場となっています。 「これは何かな?」「この絵、きれいだね!」「この料理、どんな味がすると思う?」…ページをめくるごとに、娘たちから様々な質問が飛び出し、私自身も一緒に考え、答えることで、より深くおせち料理について理解を深めることができます。
特に、おせち料理に込められた意味を説明する際には、娘たちの想像力を刺激するような言葉を選ぶように心がけています。「黒豆を食べると、一年中元気に頑張れるんだよ」とか、「紅白なますは、おめでたい気持ちを表しているんだ」など、具体例を交えながら説明することで、より理解を深めてくれているようです。
また、絵本を読み終えた後には、実際にスーパーで売られているおせち料理のパッケージを見たり、おせち料理の写真を探したりするなど、絵本の世界を現実世界に繋げる活動も取り入れています。娘たちは、絵本で見たおせち料理を現実で発見すると、とても喜び、さらに興味を持ってくれるのです。
お正月への期待感と、家族の絆を深める
この絵本のおかげで、娘たちのお正月への期待感が高まっていると感じています。 普段はあまりおせち料理に馴染みがなかった娘たちも、絵本を通してその魅力を知り、お正月が来るのが待ち遠しいようです。
そして、何より嬉しいのは、絵本を通して家族の絆が深まっていることです。 絵本を読みながら、娘たちと語り合い、笑ったり、時には真剣な話をしたり… そんな温かい時間は、私にとってかけがえのない宝物です。
どんな子供や家庭に勧めたいか
この絵本『おせち』は、4歳から小学校低学年のお子さんを持つご家庭に強くお勧めしたいです。 おせち料理を通して、日本の伝統文化や食文化に触れることができるだけでなく、親子で一緒に楽しめる、心温まる一冊です。
特に、おせち料理について詳しく知りたいお子さん、日本の伝統文化に興味があるお子さん、食育に興味があるご家庭には最適です。 お正月をより一層楽しく、思い出深いものにしてくれるでしょう。
また、絵本の美しいイラストと分かりやすい解説は、大人にとっても魅力的です。 大人と子供で一緒に楽しめる絵本として、家族の会話のきっかけ作りにも役立つでしょう。 おせち料理の美味しさと、そこに込められた想いを、親子で共有できる、そんな素敵な時間をこの絵本は提供してくれます。 ぜひ、あなたのご家庭でも、この絵本を通して、おせち料理の魅力を味わってみてください。

| タイトル | おせち |
| 著者 | 内田有美 / ・絵満留邦子 / 三浦康子 |
| 出版社 | 福音館書店 |
| 発売日 | 2024年11月 |