えみこの絵本ガイド

二児のママであるえみこがおすすめする絵本のご紹介

【絵本レビュー】たまごのうた 新装版【市原淳】

たまごのうた 新装版:愛おしい生命の誕生を歌い上げる、心温まる絵本

「たまごのうた」というタイトルを目にした時、正直なところ、少し軽い内容の絵本かな?と、一瞬思いました。 しかし、実際にこの新装版を手にとって読み聞かせ、そして動画と合わせて楽しんだ今は、その予想が完全に覆されたことを実感しています。これは単なる童謡の絵本ではなく、生命の神秘と誕生の喜びを、優しく、そして鮮やかに表現した、宝物のような一冊です。

シンプルながらも奥深いストーリーと美しいイラストレーション

絵本は、鳥の卵からヒヨコが生まれる様子を丁寧に描いています。 シンプルな言葉で綴られた物語は、4歳の長女にも2歳の次女にもすんなりと理解できる内容です。 しかし、そのシンプルな言葉の裏には、命の誕生への畏敬の念と、親子の愛情が深く刻まれています。 イラストも、パステル調の柔らかな色使いで、ヒヨコたちの愛らしさが際立っています。 特に、卵から殻を破って出てくるヒヨコたちの表情は、見ているだけで心が温かくなります。 まるで、小さな命の誕生をリアルタイムで目撃しているような、そんな感動を覚えました。

私が特に気に入ったのは、卵の中でヒヨコが成長していく様子を、繊細なタッチで描いている点です。 卵の殻の微妙な変化や、ヒヨコたちの小さな動き、それら全てが、命の神秘を感じさせてくれます。 子供たちは、ヒヨコが卵の中でどのように過ごしているのか、目を輝かせながら聞いていました。 読み聞かせ後も、何度もページをめくり、イラストを指さして楽しそうに話しかけていました。

手遊びを取り入れ、五感を刺激するインタラクティブな体験

この絵本の一番の魅力は、単に読むだけでなく、一緒に手遊びができる点です。 付属のQRコードからアクセスできる「べるくまの絵本読み聞かせパーク」の動画は、歌に合わせて手遊びをする様子が紹介されています。 親子のスキンシップを育むのに最適な構成で、子供たちは動画を見ながら、一緒に手足を動かして喜んでいました。 特に、次女のような小さな子供は、歌に合わせて身体を動かすことで、より一層物語の世界に入り込んでいる様子が見て取れました。 このインタラクティブな要素のおかげで、絵本は単なる読み聞かせのツールを超え、親と子との貴重なコミュニケーションの場となっています。

音楽と絵本の融合による、忘れられない感動

「たまごのうた」のメロディーは、優しく、そして覚えやすく、子供たちの心を掴みます。 絵本を読み聞かせながら歌を歌うと、子供たちは自然と歌いだし、一緒に歌える喜びを共有することができました。 音楽と絵本の融合は、まさに相乗効果を生み出し、より深い感動を与えてくれます。 読み聞かせ後も、長女は「たまごのうた」を口ずさんでおり、その可愛らしさに、母として幸せな気持ちになりました。 音楽を通して、絵本の世界観がより鮮やかに、そして心に深く刻み込まれることを実感しました。

世代を超えて愛される普遍的な魅力

この絵本は、私自身の幼少期の記憶を呼び起こすような、懐かしい雰囲気も持っています。 シンプルながらも奥深いストーリー、そして美しいイラストレーション、そして何より、心温まるメロディー。 これらの要素が組み合わさり、世代を超えて愛される普遍的な魅力を放っています。 きっと、私の子どもたちが大人になった後も、この絵本は大切な思い出として、心の中に残ることでしょう。

どんな子供や家庭に勧めたいか

この「たまごのうた 新装版」は、0歳から4歳くらいまでの小さなお子さんをお持ちの家庭に強くお勧めしたいです。 特に、初めて絵本を読むお子さんや、歌や手遊びが好きなお子さんには、最高のプレゼントとなるでしょう。 親子のコミュニケーションを深めたい方、生命の尊さを伝えたい方にも、自信を持っておすすめできます。 シンプルながらも奥深いこの絵本は、お子さんの心を豊かに育み、忘れられない感動を与えてくれるでしょう。 また、祖父母と一緒に読み聞かせをするのも良い思い出になると思います。 穏やかな時間と、愛に満ちた空間を、この絵本が創造してくれることでしょう。 まさに、人生の大切な瞬間を共にできる、そんな絵本です。 たまごのうた (フレーベル館はじめてうたえほん)

タイトル たまごのうた 新装版
著者 市原淳
出版社 フレーベル館
発売日 2022年02月